GEOGRAPHY
土地の条件
六甲の山地が海に迫り、そのあいだをわずかな平地が通っています。いまの神戸市須磨区にあたります。
東西の交通は、ここを通るしかありません。地形そのものが関所のように働く場所で、だからこそ陣が置かれました。
山陽電鉄の須磨浦公園駅に降りると、背後の斜面の急さがすぐに分かります。
HISTORY
史料で確認できること
史料から確認できること
一一八四年、平家の陣が攻められて敗れたことは、同時代の記録からも確認できます。
いっぽう、背後の崖を騎馬で駆け下りたという経緯は、物語の側に詳しく書かれています。実際にどの斜面をどう下りたのかについては、古くから議論があります。
STAGE
曲の中心に置かれたのは、討たれた側だった
能楽・芸能による表現
この戦いを扱う能はあります。ただし主人公は義経ではありません。
「敦盛」は、ここで討たれた若い公達の霊が、討った相手の前に現れる曲です。討った側の武士は出家して、供養のために戻ってきます。
義経の戦功を描いた曲は知られていません。作者たちはこの戦いを、勝った側からではなく、討たれた側から扱いました。
READING
この選択をどう読むか
同じことが「八島」でも起きています。あちらは義経が主人公ですが、勝利を祝う曲ではありません。勝った本人が修羅道で苦しみながら語る曲です。
能は、合戦を勝敗の物語として扱いません。扱うのは、そこで死んだ者と、死なせた者のその後です。
義経を英雄として顕彰する枠組みは、能のものではありません。この土地に義経の曲がないという事実は、そのいちばん分かりやすい証拠だと思います。
PLACE
現地を歩く
いまの所在
神戸市須磨区
行き方 — 山陽電鉄・須磨浦公園駅から徒歩。JR須磨駅からも近い場所です。
山陽電鉄・須磨浦公園駅の周辺から、地形の急さが見て取れます。
歩いて見られるもの
- 須磨浦公園山が海に迫る地形をそのまま歩けます。ロープウェイで斜面を見上げることもできます。
- 敦盛塚一ノ谷で討たれた平敦盛を供養すると伝えられる石塔です。
この案内は、地図・交通機関の公開情報・各施設の公表内容から構成しています。 編集部はまだ現地を歩いていません。したがって、坂のきつさ、風の強さ、 静けさといった体感は書いていません。取材したら、その旨をここに記します。
拝観・開館の時間や授与品の有無は変わります。出かける前に各施設の案内で確認してください。
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